まずは、以前Amazon.co.jpに書いた記事(少し手を加えました。)から
効率的学習法、創造、情熱 2002/05/07(fixed 2005/05/18)
タイトルから想像されるような、いわゆる「記憶術」の本ではなく、記憶の仕組みについての本。内容は、まず、脳科学の概要を説明、そこから「海馬」、「LTP」、それに関連するニューロンやシナプスの話、 神経回路における電気的・化学的な情報の伝達などの話展開される。後半では効率的な記憶の方法やその性質、そこから「天才」の定義、 記憶力を強化する薬の開発や、これらの研究に対する著者の考えが述べられている。
特に注意を引いたのが下記の3つの点。
タイトルの「記憶力を強くする」とは、脳のしくみを理解することにより効率的学習方法が身に付くということであり、 これはMind Mapの開発者のTony Buzan氏の言う"Mental Literacy"という言葉を思い出させるものだった。
記憶とは、ニューロン(神経細胞)のシナプス結合により神経回路が構築されて行く中に形成されるものであること。そして、この 「結合」=「関連付け」こそが人間の記憶とコンピューターとの違いであり、このような、 まったく関係の無いもの同士を結び付られる能力こそが「創造」であるというくだりが特に印象的だった。
最後に、何より著者自身の科学者としての熱意、いや「熱狂」が感じられる内容であることが、 著者と同じ時代に生きるものとしてとても心強く思った。
最近読んだ何冊かの本の中で、科学者と名乗る人が、研究の中で何か神秘的なものを見出し、 それをそれ以上進まない言い訳の様に使っている印象を受けるものがあった。それ自体はロマンティックな内容だし、 そのような神秘性に惹かれないわけではない。が、この本の著者は、そこで考えるのやめてしまうのではなく、 さらに突き進んでいこうとする。 この姿勢は尊敬に値すると思う。
著者自身、説明の簡略化のために端折った部分が多々あると書いるとおり、素人の私にもそういう部分が感じられるところがあったが、 それらも含めて上記の様な著者の情熱を感じられる部分だと思う。どこに興味を持つかは人それぞれだと思うが、 この情熱こそが多くの人に、 この本が面白い、と言わせている核の部分なのではないだろうか。
●Gaya's homepage
著者の池谷さんのサイトです。
|
記憶力を強くする—最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 |











