元BWJおよびBEA代表の神田昌典氏の数年ぶりの新作です。
今日は、少し長くなるので最初に、書いておきますがこの本は、絶対買いです。
エントロピーの法則
熱力学第二法則ってご存知ですか?もしくは、「エントロピー増大則」は? ドラえもん的解説をすると「この世の中のすべてのものはほっておくと拡散に向かう」という感じの法則です。 # 詳しく知りたい方は熱力学の書籍やWikiPediaあたりを御覧ください。大学でこの概念に改めて触れて、それからいろいろな概念と組み合せて遊んでいたのですが、、こんなのはどうでしょう?
エントロピーが増大するに任せているというのは、生物として「死」に向かっている。つまり片付けが出来なかったり「人」として崩れていくのは、「死」に向かうと。
ただ、これはあまりにも一方的な見方であり、実際にはこのエントロピーの増減はサイクルになっています。
私たちは、食物という形で他の生物を体内に取り込み、分解し、体の中で再構成するといサイクルを繰り返します。これは、一個体としてもそうですし、生態系の中でも同様でしょう(日本だと人は、死んだら通常は焼かれるため他の生物の構成物質の一部にはならないかもしれませんが)
知識は、再構成されて初めて意味がある
さて、ここまでは、物理学の話しを生物に適応してみたわけですが、じゃあ知識に関してはどうでしょう?先日ちょうどこんな話しを親友のマインドマップのインストラクター(としては、ほとんど活躍していませんが)と話しをしていました。私たちは、本を読んでも祖の著者の経験をそのまま自分の生きた知識にすることはできないのではないでしょうか?これは、牛の肉を食べてもそれをそのまま筋肉にする事は出来ず、エントロピーの高い状態(分解された状態)に持っていき、そこから再構成が必要なのと同様だと思います。
そして、知識を再構成する場合に、とても大切なのが「論理」と「イメージ」なのではないか?というのが友人の指摘でした。これは、まさにマインドマップが行っている事ではないでしょうか?マインドマップは、一つのブランチ上には一つの単語というフォーマットを持っています。これは、要素への分解であり、それらをつなげる(アソシエートさせる)ことは、再構築にもなっているわけです。
そして、私たちは、文字などのメディアを使い先人の知恵を使う事が出来る存在です。
それは、「知っている」というレベルではなく、「理解」し、そして「実行し」「結果を出す」必要があります。
優れた書籍とは
そしてこれを高度なレベルで行い、言語化し、さらにそれを人に伝わりやすい表現に落し込む事が出来る人間は、非常に限られているのではないでしょうか?ちょっと話しはそれますが、私は今まで、多くの「批判家」に会ってきました。彼らはとても偉そうに、そしてとても雄弁で賢そうに人を批判します.その様は感心してしまうほどです。そして、私自身もレベルは高くないにせよそんな批判家の一人でした。ただ、あるとき気づいたのですが、そんな「批判家」で成功している人は、一人もいませんでした。多くは、中学生の様に「世の中間違っている」「あいつはずるいから」「あいつのやり方のパターンはこうだから」と言っているだけで、安全な所から他人や組織を批判し、自らは動こうとしません。本当にわかっているのなら、それすらも利用すればいいのに、。
マインドマップのインストラクターとして、神田昌典さんに出会い、改めて「すごいな」と思ったのは、こういう革新的な事をとてもわかりやすい表現で提示する言語か能力、そしてそれを出来もしない人間の批判の矢面に、覚悟を持って立つという姿勢です。
最初にも書きましたが、改めて、この本は、買いです。上等な小説以上に引込まれ、そしてこれを消化し、再構築をする事で、あなたは全く新しい次元に行く事が出来る最高の書籍です。
関連記事
全脳思考・読破会